ヒアルロン酸


美容医療に詳しくなくてもボトックスとヒアルロン酸という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

ボトックスとヒアルロン酸の違いを大雑把に表現すると、


ボトックス・・・ 動きを止める

ヒアルロン酸 ・・・ふくらませる

ということになります。

眉間の縦シワや目じりの笑いシワのような表情シワは、筋肉が動いて収縮することで現れます。ボトックスは筋肉の収縮を少なくして表情によるシワを目立たなくします。

表情にかかわらずできているシワ、つまり動きに関係なくても存在するシワに対してはヒアルロン酸で谷間を持ち上げてシワを目立たなくします。


ヒアルロン酸はある程度の硬さを持たせたジェルです。整形外科などでひざの関節に潤滑油のように注入しているのをご存知の方もいらっしゃるでしょう。

美容外科で使用するヒアルロン酸は様々な硬さのタイプがあり、使用目的に合わせて選びます。例えば鼻やアゴのように骨の形を変化させるためには硬いものを使用し、額や眉間など皮膚の浅い部分に注入する場合にはやわらかいものを選びます。最近では広く浅く注入し、皮膚表面にハリ感を出す水光(すいこう)注射などにも使用されます。持続期間は注入する部位や注入量、回数により異なります。


 当院で現在使用しているヒアルロン酸は、アラガン・ジャパンの「ジュビダーム・ビスタシリーズ」です。ヒアルロン酸のジュビダーム・ビスタは日本国内での使用販売を承認されています。海外では様々なメーカーからたくさんの種類のヒアルロン酸が販売されています。日本のメーカーで美容医療の注入用にヒアルロン酸を製造販売している商品はないため、注入用ヒアルロン酸は全て輸入品なのですが、承認を受けているシリーズは2社だけです。承認を受けていない並行輸入品も実績のある商品を選べば問題ないと思いますが、希にコピー商品だったり輸送の途中に破損していたりということが生じることがあると聞きます。

当院では安心のため少々コスト高になりますが、国内での使用を承認された商品を使用することにしています。

[ジュビダーム・ビスタシリーズ]

・ウルトラ/ウルトラ・プラスXC

・ボリューマXC

・ボリフトXC
・ボルベラXC

共通して「XC」とついているのは、麻酔薬が含まれていることを表します。麻酔薬が含まれていても麻酔が効いていないところに針を刺せば痛みは伴いますのであまり意味がないように感じていますが、世の中の流行で最近では多くのヒアルロン酸が麻酔入りです。麻酔アレルギーのある方はご注意ください。


どのヒアルロン酸を使用するかは注入しようとしている部分の面積や深さ、動きなどによって異なります。ほうれい線と一口に言っても大きな谷間と表面の浅くて細いしわが気になるかで使用するヒアルロン酸は異なります。ジュビダーム・ビスタのウルトラやウルトラ・プラスは比較的浅いシワに適しています。ボリューマやボリフトは深い谷間状のシワに適しています。ほうれい線のような谷間状で良く動く部位にはボリフトが適していると考えられます。

同じ人の顔でも部位により適するヒアルロン酸が異なったり、ボトックスと併用したほうが良かったり様々です。まずはカウンセリングを受けられてどのタイプの施術が良いのかご相談いただくことが御満足につながると考えています。どうぞお気軽にご相談ください。

良く動く口の周りや眉間などはすぐに吸収されたように見えますが、実際は周囲に移動して徐々に吸収されます。そのため、ボトックスが使用できる部位ではあらかじめボトックスを注射した後にヒアルロン酸を使用したほうが筋肉による移動が起きにくくなり効果が持続します。

副作用としては内出血ですが、まれに起こりうるものとしては血管の閉塞による皮膚への血行障害、シコリ、線維化などがあります。注入部位を慎重に選んだり、ある程度期間をおいて注入するよう心がけます。
また、コラーゲンほどではありませんがアレルギー反応を起こす可能性もあります。
過去にアレルギー反応を起こしたことのある方はお知らせください。


 重要なことはご希望に対して最適な材料を無理しない量だけ使用するということだと思います。また、なかなか自分の顔を自分で客観的に判断することは難しい場合があります。

まずはお気軽にご相談ください。